偏愛

あげくのはては、だいたい、あなたは不親切だとか、だいたいキミは大袈裟すぎるとか、ふたり同志の問題になってしまうようです。子供の学校の成績を重く見るか、軽く見るか、それについても夫婦はしばしば意見を異にします。子供のことで起る第二の、そしていちばん始末の悪い家庭の病気は、偏愛といわれているものです。父は長男をバカに溺愛している、ところが、その反動で、母親は次男をなめるように可愛がる、そこで、父と次男はたいへん仲が悪くなり、長男は、ことごとに、母親をバカにしてかかる-こういう風景は、それほど珍しい家庭風景ではないようです。これは、ほんとに困った病気です。子供にしてみれば、これシくらい、迷惑な父と母の病気はないかもしれません。まるで同じことをしたにすぎないのに、父が居合わせれば叱りとばされ、母が見ていれば、ほめられるということになれば、子供は、どうしたらいいかわからなくなるのが当然です。子供は、いやおうなしに、ふたりの君主の顔色をうかがい、要領とコツを覚えこんでしまって、上手にやってゆくことを身につけるでしょう。つまり、妙に悪がしこい子供ができあがるでしょう。子供に対する偏愛病という両親の病気は、どんなことがあっても、自宅療法をやって治してもらわなければこまります。どうしたら治すことができるか、夫と妻、父と母が、子供に対する自分の愛情が健康かどうかについて、自分で診断をしてみることです。いったい人間はなかなか身じかなふたりの人間を同じように愛することのできないものです。二匹の猫を飼っていてさえ、甲乙をつけたがるものです。恋愛と結婚は違うところが多いですので出会った素敵なパートナーをよく見極めましょう。

参考:
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